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バーコードを活用した在庫管理とは?メリットや導入事例を解説

必要なときに必要な量の商品を供給するために、在庫を最適な状態・個数に保つべく行われる在庫管理。従来の在庫管理作業は、膨大な量を処理しなければならないため、多くの手間がかかっていました。しかし、バーコードを在庫管理に活用することで、効率よく在庫状況を把握し、入出庫時の在庫数カウントミスを防ぐことが可能になります。本記事では、在庫管理でのバーコード活用方法、メリットやデメリット、導入事例などについて解説します。

バーコードを活用した在庫管理とは

物の動きに応じて、入出荷データをシステムに直接登録したいときに有効なのがバーコードです。

ハンディーターミナルやスマートフォンを使ってバーコードを読み取れば、登録されている商品情報、価格などの情報が在庫システムへ転送されます。バーコードの読み取りのみで数量のカウントを行えるため、目視でカウントして手書きで表に記入する方法と比較すると、手間を大きく軽減できる点が特徴です。

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在庫管理にバーコードを活用するメリット

在庫管理にバーコードを活用することで得られるメリットとしては、次の三つが挙げられます。それぞれについて、詳しく解説します。

作業スピードの向上

入庫登録の際は、ロケーションとアイテムのバーコードを読み取っておけば商品の保管場所を即座に特定できるため、該当の棚に素早く収納できます。

また、紙への記帳やエクセルで管理する際に個別で行っていた、

  • 倉庫現場で入出庫数を棚札に記帳する
  • 商品に付けた棚札を回収する
  • パソコンの管理データに入力する

という三つのステップを、バーコードの読み取り1工程で完結できるようになります。さらに、一瞬にも満たないバーコードの読み取りだけで済むため作業スピードが格段に向上できるでしょう。

ほかにも在庫管理の効率を上げられるため、従業員の残業時間も軽減できます。また少人数での対応が可能となることにより、人員配置の面でもメリットは大きいでしょう。

リアルタイムで在庫状況を把握可能

バーコードの読み取りにより瞬時にデータがシステム反映されるため、管理画面と現場の在庫データとの差異がなくなります。そのため、在庫の状況をリアルタイムで把握できるようになります。

急な受注や不定期の案件で少量の入出庫を行う場合でも、バーコードの読み取りでその都度簡単に記録されるため、記入もれなく正確な在庫情報を保持できます。

その結果、顧客から在庫に関する問い合わせを受けた場合に、在庫システムを確認するだけで誰でも迅速かつ正確に回答できるようになります。問い合わせに迅速に回答することで、販売機会の喪失を回避できるだけでなく、顧客満足度も高められるでしょう。

リアルタイムの在庫状況把握は、次の受注のタイミングを計るためや、現在の売れ行きを把握するためにも重要です。

作業ミスの軽減

人の手によって在庫の数をカウントする場合は、ミスを完全になくすことは困難です。しかし、バーコードを活用すれば数え間違いは発生しにくいため、人為的ミスを大きく削減できるでしょう。ただし、同じバーコードを2回読み取ることによるカウントミスには注意が必要です。

機器によっては、間違いが発生した際に管理画面にエラーを表示して誤作業を防ぐ機能や、二重読み取り防止、照合元を登録し照会するといった転記ミス防止機能が備わっています。

在庫管理でバーコードを活用した事例

近年、多くの業界でバーコードが在庫管理に活用されています。バーコードを活用して在庫管理を行った結果、自社の事業に大きなメリットがあったという事例も少なくありません。バーコードを活用した在庫管理で成果を上げた事例を紹介します。

膨大な種類の部品を製造している部品製造企業A社の工場では、当日の注文、出荷と引き取りという受注を多く行っていることから、在庫の管理が煩雑になっていました。そこで、バーコードを活用した在庫管理に切り替えたところ、スピーディーな出荷が実現しました。部品数が膨大ながら、ピッキング時の在庫登録ミスも削減できています。

レンタル業のB店舗では、レンタル品にバーコードを付けて読み取り管理することで、返却有無や、複雑なレンタル期間の管理をスムーズに行えるようになっています。

在庫管理にバーコードを活用するデメリット

在庫管理にバーコードを活用するデメリットとしては以下の三つが挙げられます。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。

バーコードの貼り付け作業が必要

商品・製品へバーコードを貼り付ける必要があるため、バーコードを発行し、貼り付ける作業に時間がかかります。
また、バーコードが汚れていると読み取れないため、適宜貼り替えが必要です。

一つ一つ読み取る必要がある

バーコードの読み取りは、ひとつずつ行っていかなければなりません。在庫が大量にある場合はすべてを読み取るのに時間がかかります。

読み取り作業の際、バーコードの位置がほかの商品や段ボールの陰に隠れている場合は、読み取り可能な場所に移動してからスキャンする必要があります。また、読み取りが終わった在庫と終わっていない在庫が混在しないように、仕分けをする必要があります。これを怠ると、どこまで読み取りをしたかがわからなくなり、作業をやり直さなければいけないといったことが起こります。

導入コストがかかる

バーコードで在庫管理を行うためのシステムを導入する必要があるため、初期投資費用がかかります。また、初期費用だけではなく、システム運用中にかかるランニングコストも発生します。 導入済みの在庫管理システムに、バーコードを読み取るためのハンディーターミナルやスマートフォンを連携させる場合であっても、改修コストやサポート費用が必要です。
なお、システムを導入するなら、バーコードよりもさらに効率のよいRFID を使った在庫管理方法も選択肢に入るでしょう。

RFIDによる在庫管理についてより詳しい内容は、下記の記事をご参照ください。
RFIDでの在庫管理とは?特徴やメリット、活用事例をわかりやすく解説

バーコードでの在庫管理の一歩先を考えるならRFIDがおすすめ

バーコードを活用して在庫管理を行うことで、瞬時にデータを読み取り、効率よく作業することが可能です。作業時間が短縮するうえ、作業ミスの軽減にもつながります。しかし、読み取るためにはハンディーターミナルをバーコード部分に近づける必要があります。商品が重なっていたり、奥に隠れていたりすると移動しなければならないなど、作業効率上のデメリットもあります。

RFIDを活用した在庫管理は、こうしたバーコードのデメリットをカバーできる効果的なソリューションです。RFIDを使用すれば、電波が届く範囲で商品情報を一気に読み取れるため、さらに作業効率の向上が期待できます。

TOPPANエッジでは、RFIDを活用したソリューションサービスを提供しています。在庫管理上の悩みに特化した提案のほか、導入支援サポートを行っています。在庫管理の精度を高め、効率化を目指している方は、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。