Case 導入事例

亀田総合病院様/医療材料管理

病院イメージl
医療機関名
亀田総合病院
診療科
34科
病床数
一般 865床 /精神 52床(2021年12月時点)
業種
医療・医薬
導入時期
2019年
担当部署
用度課(購買課)

導入の背景

 亀田総合病院は千葉県南部の基幹病院として、急性期高度医療を提供しており、年間約1.5万件の手術が行われています。膨大な件数の手術に備え、手術に使用する医療材料の基本セットを事前に作成する業務がありました。基本セットに入れる医療材料は、術式により最大120点になることもあり、迅速かつ正確に基本セットを作成する必要がありました。セット内容に不備があった場合は、手術中に必要な医療材料を取りに行くことになるため、より高い正確性が求められていました。そのため、間違いや欠品を防止する目的で、基本セット内全ての医療材料はバーコードによる検品を実施していました。マスターとの照合をおこなうことで精度は上がりましたが、バーコードを読み取る作業に要する時間や負担が課題になっていました。

導入までの経緯と効果

 医療現場では、人手不足による働き方改革や省人化対策が以前から問題視されており、医療行為のサポート業務も同様でした。従来のバーコード運用ではピッキングと使用後の検品業務を実施しておりましたが、業務負荷は非常に大きく、精度にも課題があり、改善方法を模索していました。
 一方、アパレルなど他の業種においてRFIDの導入が進むにつれ、RFIDタグの単価も下がってきたことから、医療材料の管理にRFID導入の検証に踏み切りました。事前のRFIDタグ貼付作業やコストは発生するものの、基本セット1つ当たりの準備に費やす時間差は、バーコードとRFIDでは数分でも、数万件を処理するとなると、その時間差は大きなものとなり、本格導入に至りました。手術件数は増加傾向にありましたが、RFIDの導入で作業の効率化を実現し、現場の働き方改革に貢献できました。


導入効果

  • 基本セット作成および照合にかかる負荷
    作業時間:バーコード運用と比較し20分の1に削減
    作業体制:手術件数が増加しても対応可能
  • 照合回数増によるセット内容の精度向上
    バーコード運用の場合は倉庫保管時に1回照合を実施していましたが、RFID運用にすることで倉庫保管時と払い出し時の2回実施できるようになりました。万が一、保管時に抜き取りなどがあった場合も、払い出し時の照合により、手術前に発見・補充できるようになりました。
  • 手術後の補充作業効率化
    手術前後での使用状況もRFID読み取りで簡単に確認できるため、手術後の基本セット補充作業も大幅に効率化できました。
  • 個品管理の実現
    バーコードと違い医療材料一つ一つのシリアル管理ができるため、使用期限管理への活用も可能になりました。

運用イメージ

読み取りブースと基本セットのコンテナ 医療材料管理運用フロー

使用したRFIDタグ

  • 1530ラベル

    1530ラベル

    【特徴】小型物品管理に最適
    【利用例】小型物品、医療材料
    【製品サイズ】18×33mm
    【アンテナサイズ】15×30mm
    【参考通信距離】2.5m
    データシート

これからの展望について

 医療現場の一層の業務効率化推進のため、RFIDによる管理対象を手術時に使用する医療材料だけでなく、病院内の全医療材料、医療機器などへと順次拡大する予定です。

その他の関連製品はこちら